北鎌倉「綠の洞門」開削工事に隣接地権者が工事中止の仮処分申請をしました


▼神奈川新聞24面 2016年4月8日(金)

北鎌倉「綠の洞門」開削工事

中止の仮処分申請 隣接地所有者

「緑の洞門」の愛称で親しまれているJR
北鎌倉駅{.keyword}脇の「北鎌倉トンネル」につい
て、鎌倉市{.keyword}が進めている開削工事に
よって土地の所有権が侵害されるとし
て、隣接地の所有者の男性が7日、
市と請負業者に工事の中止を求める
仮処分を横浜地裁{.keyword}に申し立てた。
 申立書によると、男性はトンネルに隣接する土地約
10平方㍍を所有。一般の通行を認めてきたが、開削工
事に絡み市から所有地の一時使用の通知を受け、「安
全対策が目的の工事とは認められない」と拒否した。
施工によって「土地が崩落する危険性が極めて高く、
通行部分の使用が妨げられる」と主張し、協議が整う
まで工事に着工しないことなどを求めている。
 仮処分は民事保全法{.keyword}に定められた手続きで、通常の
訴訟よりも迅速に進み、決定後直ちに効力が生じる。
男性を含めた周辺住民でつくる市民団体「北鎌倉緑の
洞門を守る会」の出口茂代表(63)は、「開削工事は風
情ある景観をぶち壊すもの。何としても止めたい」
と話した。市は「情報がないのでコメントできない」
としている。
 市は落石の危険性などからトンネルを岩盤ごと切り
崩し、道路幅を4肩に拡大する工事を計画。今月4日、
工事準備に着手したが、景観を守ろうと保存を求める
声も上がっている。
 北鎌倉トンネルを巡っては、別の住民らが松尾崇市
長に工事費を支出しないよう求める住民訴訟{.keyword}を提起
し、横浜地裁{.keyword}で係争中。
                  (報道部)