鎌倉の第3極としての「深沢のまちづくり」


 鎌倉のまちづくりでは30年以上前から鎌倉市行政として「深沢のまちづくり」が提案されてきました。当時、私は鎌倉の市議会議員ではありませんでした。しかし、市民の立場から市民グループの一員として「深沢のまちづくり」を模型を作って提案したことがあります。当時は「JR大船工場」やJRの社宅がありました。まちづくりにも関心がありましたが、当時は精神障がい者が病院に入院し、退院してからの中間施設がほとんどなく、退院すると家族の元にいるという傾向が大きく、その間の中間施設がないと社会へすぐには飛び出せないので、関係者に混じって中間施設づくりに奔走しました。仲間と片手にビールを持ち議論が白熱した時期もありました。

 まちづくりは一朝一夕に行かず「深沢のまちづくり」は議論が錯綜して下火になりました。その内「大船のまちづくり」が課題にのぼりはじめ「松竹」の移転やその後の跡地問題が浮上してきました。当時は鎌倉女子大学が横浜市栄区と鎌倉市との市境にありましたが、それが松竹跡地に移転してきました。それからJR大船駅を含む周辺まちづくりや鎌倉芸術館横が鎌倉女子大学の正門でしたので、それに続く芸術館通りの整備や鎌倉芸術館周辺まちづくりが課題に挙がった時期もありました。その後も大船駅周辺まちづくりは続きましたが、目玉の大船駅東口市街地再開発事業は紆余曲折をしましたが、頓挫したままになっています。

 さて、今般の「深沢のまちづくり」はJR大船工場もJR社宅もなくなり、広大な敷地とその周辺の整備が待たされていました。鎌倉市も2019年を含む過去30年間では人口が17万4000人くらいから17万6000人を下限で一万人くらいを上下していて、今は30年前と同じ人口です。ただ、年少人口や生産年齢人口や高齢者人口は様変わりして、2019年現在では年少人口が6千人減、生産年齢人口が2万5千人減、高齢者人口が3万人ほど増えています。職住近接のまちづくりが必要です。さらに、鎌倉市の財政も経常収支比率が2019年決算で101.2%と5年前から急上昇し、財政的自由がきかなくなっています。東海道線の大船と藤沢の中間駅として戦略的新駅を作ろうという話も以前からあり、2月8日にJR東の会社、神奈川県や藤沢市、鎌倉市の4者が設置の覚え書きを締結したニュースも飛び込んできました。これとセットにした「深沢のまちづくり」では完成したあかつきには年間16億円の税収があるとの試算も出ています。この規模は鎌倉市の法人市民税に匹敵する規模で大きいと思います。しっかりしたまちづくりをして行きたいと思っています。

 まだまだ茨が続くまちづくりですが、今からの世代に少しでも責任を持ちたいと思っています。未来への投資をして鎌倉市の財政の一端を担いながら市民生活のサービスの低下を少しでも食い止め、出来ることなら豊かな市民生活が送れるような街にしていきたいと思います。その財政的基礎を作るために全力を出したいと思っています。下表グラフの左部分の綠は単位が「億円」です。右部分は単位は「%」です。