企業版「ふるさと寄附金制度」が始動しました。


▼神奈川新聞二面 2016年4月15日

企業もふるさと納税

 対象事業夏ごろ決定

                    改正法成立

改正地域再生{.keyword}法が14日成立し、ふるさと納税{.keyword}の企業版が本年度からスタートす
る。企業が社会貢献の一環として、応援したい地方自治{.keyword}体の地域活性化事業{.keyword}に寄
附すると寄付額の約6割分が税金から引かれる仕組み。対象事業{.keyword}の第一弾が夏ごろ
に決まる見通しだ。企業が多い東京都などに偏る税収を地方に移すことで地方創生
を後押しするのが狙い。

 国は、自治体への企業寄付の総額が現状の年間約2
00億円から2倍の約400億円に増えると見込む。
個人のふるさと納税{.keyword}のように広がるかは未知数で、自
治体の取り組みが課題となる。企業への制度周知など
では国の支援も求められそうだ。
 企業が本社所在地以外の自治体に寄付すると、寄付
の3割に当たる額が地方税{.keyword}の法人住民税と法人事業{.keyword}
税、国税{.keyword}の法人税{.keyword}から差し引かれ、これまで認められ
ていた分と合わせて約6割が軽減される。納めている
税金の額によって差し引ける上限が定められている。
 寄付の対象は、効果が高いと国が認定した事業{.keyword}。近
く自治体の担当者に制度を説明した後、募集を始め、
3ヵ月以内に最初の認定を出す方針だ。税収が多い東
京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川の4都県)の一部自
治体は寄付を受けられない。
 自治体は寄付してくれそうな企業に働き掛けができ
る。例えば長崎県{.keyword}は、世界遺産{.keyword}登録を目指す文化財{.keyword}の
保護などで寄付を募る考えだ。文化財{.keyword}に関心が高い企
業や教育関連業界に狙いを定める。
 一方、企業はイメージ向上が見込める。税金の軽減
の拡大で寄付しやすくなるが、それでも寄付額の約4
割は自己負担。先行する個人のふるさと納税{.keyword}は200
8年に創設された。自治体に寄付すると所得税{.keyword}などが
軽減され、自己負担が2千円。特典がもらえる場合も
あり、企業版はそれに比べると恩恵が小さい。
 また自治体と企業の癒着を懸念する声もある。この
ため、寄付額の一部を補助金{.keyword}として企業側に環流する
行為や公共事業{.keyword}、物品調達などの入札での便宜が禁止
された。