次の陳情に私は反対討論をいたしました。
次の陳情は観光厚生常任委員会で全会一致で通っており、我が会派の飯野委員長が
全員のご賛同を賜りますようにと議会で申し述べていました。
委員長職としては役目上、責務を果たしたわけですが、会派としては認められないとの
結論から、私が反対討論をすることにいたしました。
その全文は次のとおりです。
「陳情第26号 安全・安心の医療・介護実現のための夜勤の改善・医師・看護師等の
大幅増員の意見書提出を求める陳情について」鎌政会は反対の立場で討論致します。
私どもの会派は医療職の待遇をよくすることの必要性については認識しています。
医療職の方々の待遇を良くするには、給料をアップさせ、医療職を希望とする若者を
増やすことが必要になります。医療職の方々が増えることで、医療職の方々のオーバーワークが
減って医療事故が減ることは陳情の要旨で述べられている通りであると考えます。
一方で、医療職の給料を上げる方策について考えると、医療の財源は、我が国の保険制度で、
大枠が決まっているため、保険点数を上げることで、給料を払っている医療機関の収入を上げさせるか、
医療機関に地方自治体もしくは国から直接補助金を出すしかありません。そして、それらの財源は、
税金のアップか、健康保険料、介護保険料の値上げをする必要があります。
医療従事者の方の待遇をアップ、増員させるには、いくら財源が必要なのか、
財源をどこに求めるのか、決断することが政治の役割と考えます。
①北欧型の高福祉、高負担の社会とするのか
②アメリカ型の、民間保険活用の自由診療型にするのか
③日本型の公的国民皆保険
これらのどれを選択するかということの議論も含めて直ちに結論を出すことは
難しいと考えます。
また、今回の陳情に関し鎌倉市内の一般病院の事務長をされている方に現状を
確認したところ、『仮に週32時間の勤務になるとすると現状の看護師の人員を
2~3割増やす必要があり、現在でも看護師の採用が難しい中で看護師の採用が
更に困難になる可能性が高く、、また、給料が同じで32時間勤務とすると
医療機関の経営そのものが成り立たず、仮に労働時間が32時間で給料を
下げると退職者が続出する恐れもある。
先に看護師の増員があって環境をよくすれば、32時間勤務は可能かもしれないが、
診療点数が上がらない限り医療機関は成り立たない。』ということをお聞きしました。
以上申し述べました事柄を考えると、現時点で結論を出すということは
拙速であると考えますので陳情第26号には反対の立場といたします。
以上で、反対討論を終わります。
なお、以上の陳情は鎌倉市議会では多数で採択されました。