熊本地震 義援金届かず。危機管理体制や業務継続計画がどうなっているのか、事前の点検が重要だ。


▼2016年5月25日(水) 東京新聞夕刊一面

熊本地震 義援金届かず

 計7億5000万円 支給1世帯どまり

 熊本地震{.keyword}の義援金{.keyword}のうち、熊本県{.keyword}が二十五市町村に一次配分した計約七億五千
万円のほとんどが、配分から二週間以上たっても被災{.keyword}者に届いていない。二十四
日時点で支給したのは一世帯十万円のみ。地震{.keyword}による熊本、大分両県の建物被害
は十万棟を超え、住宅の被害調査が進まず、罹災証明書の発行が追い付いていな
いのが主な要因だ。
 熊本県{.keyword}は、死亡・行方不明者一人当たり二十万円、全壊家屋二十万円、半壊十
万円などと支給の目安を決め、六日に各市町村に送金。だが被災{.keyword}者に支払われ
ていたのは和水町{.keyword}の半壊一世帯、十万円のみ。市町村に直接寄せられた義援金{.keyword}も
含め支給されていない。一次配分以外にも百億円近くが県に寄せられているが、
次の配分のめどは立っていない。
 被災{.keyword}者に支給できていない事情について熊本市{.keyword}の担当者は「罹災証明書の申請
が六万件以上あり全体像がつかめない。職員は避難所対応などに追われ、支給
の態勢が整わない」と説明。
 ある自治体の職員は、一次配分が四月末時点の被害状況に基づいている点に触
れ「対象者はもっと増える。一部の人にしか渡せないので、早く次の配分をし
てほしい」と要望する。
 人的被害への支給を巡っても「遺族と連絡が付いていない」など対応に苦慮す
る声も出た。
 益城町{.keyword}の自宅が被災{.keyword}した女性会社員(三一)は「家の修理に使いたいので、早く
義援金{.keyword}が欲しい」と訴える。県の担当者は「なるべく早く被災{.keyword}者に届くように
できる支援をしたい」としたが、具体的な対策には着手できていないのが現状だ。

罹災証明遅れ

義援金1次配分額が多い市町村

益城町{.keyword}   2億932万円
西原村{.keyword}   1億7850万円
宇土市{.keyword}      9410万円
南阿蘇村{.keyword}  5900万円
宇城市{.keyword}     5674万円
嘉島町{.keyword}     4510万円
御船町  3988万円
大津町{.keyword}    2026万円
阿蘇市{.keyword}    1040万円
甲佐町{.keyword}    1026万円